キュービクルの設置には届出が必須!その理由や怠った際のリスクを解説

施設を新しく建設・改修する際、高圧受電設備であるキュービクルの設置を検討している方も多いでしょう。

しかし、キュービクル設置時には法律に基づいた届出が必要になることをご存じですか?

キュービクルの設置には法律に基づいた届出が必須であり、適切に手続きを進めなければ罰則や事故のリスクも高まります。

また、電気主任技術者の選任も必要になるため、早めに行動を起こすことが重要です。

本記事では、キュービクルの基礎知識から、届出が必要な理由、手続きの流れ、リスクなどを解説するので参考にしてみてください。

1.キュービクルとは?基礎知識を確認しておこう

キュービクルとは高圧受電設備の一種であり、電力会社から供給される高圧電力を施設内で使用可能な100Vや200Vの電圧に変換する装置です。

鉄製の箱の中に必要な設備が収納されているコンパクトな設計となっており、以下のような場所で幅広く利用されています。

  • 工場
  • ビル
  • 商業施設
  • 学校や病院
  • ホテル

キュービクルは、50Kw以上の多くの電力を必要としている施設において一般的になってきている高圧受変電設備受電設備です。

現在の施設で50Kw以上の多くの電気を使っているのであれば、キュービクルに切り替えることでさまざまなメリットを得られるので検討してみましょう。

キュービクル設置の3つのメリット

キュービクルを設置すると、以下のようなメリットを得られます。

メリット

  • 電力供給の安定化
  • 電力契約におけるコスト削減の可能性
  • コンパクト設計で設置しやすい

キュービクルを設置することで、高圧電力を適切に管理し電気を安定的に供給できます。

また、高圧受電契約を結ぶことで低圧受電契約よりも電気料金の削減も期待できるのもキュービクルの魅力です。

現在、50Kw以上の電気を使用しているにもかかわらず、低圧受電契約でコストがかかっていると感じている施設は、キュービクルに切り替えることでコスト削減効果を実感できるでしょう。

キュービクルのメリットは、コンパクトな設計も挙げられます。

屋上や駐車場などの屋外にコンパクトに設置できるため、スペースの有効活用が可能です。

詳しいキュービクルのメリットについては、こちらの記事を併せてご覧ください。

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2.キュービクルの設置は法令に基づいた届出や許可が必須

キュービクルは、6600Vといった高圧電流を扱う設備であるため、思わぬトラブルや故障が発生したときに火災に繋がる危険性があります。

そのため、消防法では政令に基づいて、キュービクルの設置する位置や構造、管理に関する基準が定められています。

さらに、建築基準法や電気事業法においても厳格な基準が定められているため、理解を深めておきましょう。

キュービクル設置の届出が必要なケースは?

キュービクル設置の届出が必要なケースは以下の3つです。

キュービクル設置の届出が必要なケース

  • 新規設置:高圧受電設備を設置する際に、法令に基づき届出が必要。
  • 設備変更:既存のキュービクルを改修・移設する場合にも対象。
  • 設置後の定期報告:定期的に設備の点検状況を報告する義務。

現在キュービクルを設置していない施設で新規設置する際はもちろん、既存のキュービクルを改修・移設する際にも届出が必要になります。

また、設置してからもキュービクルは定期的な設備点検を行い報告しなければなりません。

施設の安全性を確保し、法令を遵守するために必要な手続きや届出のもれなどがないように十分に注意しましょう。

3.キュービクルの届出が必要な理由

キュービクルは自家用電気工作物に該当するため、電気事業法の以下の3点が定められています。

電気事業法

1.事業用電気工作物の維持・技術基準適合維持(法第39条)

2.保安規程の制定、届出及び遵守(法第42条)※小規模事業用電気工作物を除く。

3.主任技術者(電気主任技術者)の選任及び届出(法第43条)※小規模事業用電気工作物を除く。

引用元:電気設備の申請・届出等の手引き|METI/経済産業省

自家用電気工作物であるキュービクルの設置には【2.保安規程の制定、届出及び遵守(法第42条)】により、国や自治体に対して手続きを行う必要があります

必要な届出を怠ると法律違反となり、罰則の対象となる可能性があるため注意が必要です。

キュービクルを設置する7日前に消防署へ届出を済ませよう

キュービクルの設置工事を行う際には、設置工事7日前までに所定の手続きを済ます必要があります。

その際、電気設備設置届を管轄の消防署に提出して内容の確認を受けることが義務付けられています

参考:電気設備設置(変更)届出書|東京消防庁

高圧電流を扱うキュービクルを、火災や事故のリスクを未然に防ぐためにも重要な手続きです。

消防署への届出後には、キュービクルが適切に設置されているか点検を受けます。

この消防署の検査をクリアしなければ、キュービクルを稼働させることはできません

消防署への届出と手続き、検査などに遅れが出てしまうと、キュービクルの設置工事や稼働開始時期に影響を及ぼすため、スケジュールに余裕を持って準備を進めましょう。

キュービクルの設置届出4種類をチェック!

キュービクルの設置には、以下の4つの届出が必要になります。

キュービクル設置に必要な4つの届出

  • 保安規定届出書
  • 主任技術者の選任届
  • 主任技術者選任許可申請書
  • 主任技術者兼任承認申請書

保安規定届出書は、キュービクルの設置工事や維持及び運用に関する保安を確保するために定めるルールを記載した届出です。

キュービクル設置後は、設置者ならびに従業員は保安規定を守り保安の確保に努めましょう。

電気主任技術者は、キュービクルの設置、維持、管理を担う専門資格者であり、設置計画と同時に選任が求められます。

以下の2つの方法から、電気主任技術者の選定を進めましょう。

  • 直接雇用:自社で電気主任技術者を採用し、管理業務を担当させる方法。
  • 外部委託:外部の専門業者に業務を依頼する方法。

いずれの方法を選ぶ場合でも、選任後には速やかに所定の届出を行う必要があります。

また、キュービクルは電気主任技術者による、毎月の日常点検と年1回の年次点検が義務化されていることも理解しておきましょう。

引用元:自家用電気工作物を設置される事業者さまへ |関東電気保安協会

なお、キュービクルの届出書類は、経済産業省「電気設備の申請・届出等の手引き」にて確認できます。

5.キュービクル設置の届出を怠ったときのリスクは?

キュービクル設置の各種届出を怠ったときは、以下のようなリスクが伴います。

届出を怠った際のリスク

  • 法律違反による罰則
  • 事故リスクの増大
  • 火災保険適用外のトラブル

キュービクルの設置には、国や自治体への届出が義務付けられている自家用電気工作物です。

そのため、無届出での設置は電気事業法違反となり、罰金や行政指導の対象となります。

また、届出を怠り点検を受けず不適切な設置をしていることにより、火災や感電事故が発生する可能性が高まり危険です。

施設の利用者の命にもかかわるため、必ず適切に設置できているのか点検を受けるために、消防署への届出を怠らないようにしてください。

なお、適切に届出がされていないキュービクルが原因で火災などが起きた場合、火災保険などの保険が適用されないケースもあります。

施設及び利用者が安全に電気を利用できるように、届出は怠らず適切にキュービクルの設置と運用を行いましょう。

まとめ.キュービクルは適切な届出を忘れずに行おう

キュービクルの設置は、法令に基づいた届出と適切な手続きが必要不可欠です。

とはいえ、初めてキュービクルを設置する施設は全てをスムーズに進めることは難しいでしょう。

キュービクルの設置は、専門家や工事業者と連携しながら届出と検査をスムーズに進めることが可能です。

WILLPROCEEDでは、キュービクルの設置はもちろん電気主任技術者の選任から届出まで、トータルでサポートしております。

「キュービクルを設置したいけれど何から始めればいいのか分からない」

「届出や電気主任技術者の選任など全て一貫してお願いしたい」

このようなキュービクルの設置を検討している方は、お早めにWILLPROCEEDまでご連絡ください。私たちと一緒にスムーズに手続きを進めましょう。

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株式会社WILLPROCEEDのWEB担当者。
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