【2026年4月1日トップランナー基準改正】コストを抑えて新基準の変圧器へ更新しよう
各各企業や事業所などで電気を使うために必要な変圧器(トランス)ですが、トップランナー基準の改定に伴い、2026年4月1日以降は現在設置されている「トップランナー変圧器2014」がメーカーで出荷できなくなります。
万が一、故障等が起きた際にも部品や消耗品の交換が行えなくなる可能性が高まっていることから、変圧器の更新時期を早めに検討する必要性が出てきました。
この記事では、2026年に改定される新基準のトップランナー基準やなぜ早めに変圧器とキュービクルの更新を検討しなければならないのかを解説します。
「まだ変圧器の更新時期ではないし、しばらくはこのままにしておく」とお考えの事業者様も、ぜひ改めてご検討ください。
トップランナー基準が改定される理由とは?

トップランナー基準が改定される背景には、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の目標があります。
カーボンニュートラルとは、CO₂やメタン、N₂O(一酸化炭素)、フロンガスを含む温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いて合計をゼロにするというものです。

引用元:「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?
世界で起こっている様々な気象災害は、今後日本国内においても無関係ではありません。
豪雨や雹、猛暑など、すでに国内における気象災害は起こっており、今後の産業と経済活動などにも影響を及ぼすと言われています。
カーボンニュートラルが実現できれば、持続可能な経済社会を築くことができ、将来安心して生活できる環境を整えられるでしょう。
日本のカーボンニュートラル実現には、CO₂排出量の約40%を占めている電力インフラの脱炭素化は大前提です。
これらのことから「2050年カーボンニュートラル」の一貫として、省エネ性能の向上とCO₂排出量の削減を目指し、現行の「トップランナー変圧器2014」よりも、さらに高効率な製品が新たな基準として求められるようになり改定が決定しました。
トップランナー基準改定の対象になる変圧器
2026年4月に改定されるトップランナー基準の対象となるのは「油入変圧器(油浸式変圧器)」および「モールド変圧器(樹脂絶縁変圧器)」のうち、単相で10~500kVA、三相で20~2000kVA程度の変圧器です。
多くの事業所や工場、商業施設で使用されているキュービクル内の変圧器も、この対象に含まれるケースがほとんどです。

なお、変圧器は設置後15~20年程度で寿命を迎えます。設置してから長期間経過している際も、新基準の変圧器への更新を検討しましょう。
トップランナー基準改定後に考えられる影響

2026年4月1日以降、現在普及している「トップランナー変圧器2014」は新しい基準を満たさないため、出荷が禁止されます。
また、改定前の基準に基づいた変圧器については、修理用の部品や消耗品の製造・供給も徐々に終了する見通しです。
つまり、現在稼働している変圧器の故障やトラブルが発生した際に「修理できない」「部品がない」といったリスクが高まります。
トラブルなどが起きたときにスムーズに対応していくためには、稼働中の変圧器の状況を確認し、計画的な更新が必要です。
直ちに新しい変圧器とキュービクルに更新する義務はない
基準が変わるからと言って、現段階ですぐに変圧器を更新しなければならないわけではありません。
ただし、先ほど述べたとおり、旧基準の変圧器の生産終了や部品供給の停止により、将来的なメンテナンスが難しくなることは明らかです。
「壊れてから新基準の変圧器に更新する」のではなく「使えるうちに安全に新基準の変圧器に更新する」ことで、業務への支障を最小限に抑えられます。
変圧器の更新にはコストがかかる
新しいトップランナー基準の変圧器への更新には、当然ながら一定の費用が発生します。
また、変圧器を収めているキュービクルのサイズも今より大きくなるため、さらにコストがかかると認識しておきましょう。
しかし、省エネ・低酸素化が可能になることから、経済産業省の資源エネルギー庁が管轄している一般社団法人 環境共創イニシアチブによる「省エネルギー投資促進支援事業費補助金 2025年版」の補助金の活用が可能となり、コストの一部を軽減できる場合があります。
補助金の公募期間が決まっているので、早めにチェックしましょう!

WILLPROCEEDでは、補助金申請に関するサポートも承っておりますので「費用が心配」という方もまずはご相談ください。補助金の公募期間などが終了した場合も、お客様にとって最適なプランをご提案をいたします。
1日でも早く新基準の変圧器への更新をおすすめる3つの理由

2026年4月以降ではなく、2025年度中の更新をおすすめする最大の理由は、駆け込み需要の増加です。
基準改定の直前になると、メーカーへの注文が殺到し、納品まで数ヶ月待ちという状況も十分に予想されます。
特に年度末は予算の関係で工事が集中する傾向があるため、余裕を持ったスケジュールでの対応が重要です。
旧モデルの変圧器が2026年3月まで販売されるとは限らないことを念頭において更新のご検討をしてください!

実際に、現行の変圧器の部品に関して5月中に製造終了した製造会社もあります!徐々に現行の変圧器の修理などができなくなってくると認識しておきましょう。
駆け込み需要が高まると更新できない可能性が高まる
現在のトップランナー基準が終了する2026年3月末に向けて一気に需要が高まると、新基準の変圧器の製造や施工のスケジュールがひっ迫する可能性があります。
その結果「新基準の変圧器に更新したくても手に入らない」「変圧器の施工日が確保できない」などの事態が発生する恐れがあります。
需要と供給のバランスが崩れると、次に問題になるのがコストです。
需要が高まり供給が追いつかなくなると、変圧器の価格を高くして生産量や施工数の調整をするケースが珍しくありません。
また、変圧器は購入できてもそれを収めるキュービクルが入手できない場合もあります。

キュービクルは、通常でも100kVAで200万円前後、200kVAで350〜450万円と非常に高額です。
需要と供給のバランスが崩れると、キュービクルの価格高騰も懸念されます。
正規の価格で適切なタイミングに変圧器の施工を行えるようにするためには、早めの行動が肝心です。
タイミングによっては業務できなくなる
万が一、更新時期を見誤り変圧器に不具合が生じた場合、部品などが入手できないといった事態が発生すると復旧に時間がかかり、その間は電気の供給できません。
修理ではなく、新基準の変圧器への更新が必要と判断された場合、スムーズに施工できないケースも十分考えられるでしょう。
さまざまな理由から変圧器が使えなくなると、電気が復旧するまで業務ができなくなるといったリスクが発生します。
特に医療機関や製造業、冷凍・冷蔵設備を持つ施設では、その影響は深刻です。トラブルを未然に防ぐためにも、変圧器更新の検討は早めに行いましょう。
変圧器の更新にはスケジュール調整が必要
変圧器の更新作業には、一時的な停電が必要です。
そのため、施工のタイミングは稼働状況や業務スケジュールに応じた調整が欠かせません。
停電しても業務や利用者に支障が出ない日時などを調整したうえで、スケジュールを決めていくのが一般的になります。
「故障した!今すぐ新基準の変圧器に更新したい」と思っても、ご希望どおりのスケジュールでの施工は難しいと認識しておきましょう。

WILLPROCEEDでは、できるだけ業務に支障が出ないようにスケジュールのご希望をヒアリングしています。とはいえ、今後の変圧器の需要を考慮すると、1日でも早めにご相談いただけると幸いです。
変圧器及びキュービクルの更新はWILLPROCEEDにお任せください

2026年のトップランナー基準改正は、変圧器を導入している企業や事業所において更新のタイミングなど慎重に検討する必要が出てきます。
今後、徐々に現在稼働している変圧器の故障が起きた場合、部品がなく対応ができなくなると考えておきましょう。
また、2026年4月が近づくにつれて需要と共有のバランスが崩れてしまうと、更新すらできなくなる場合もあります。
2026年までまだ時間があると悠長に構えていると、業務ができなくなったり利用者の信用を失ったりなど大きな損失が出るでしょう。
WILLPROCEEDでは、変圧器の更新にかかわる手続きから見積り、施工などを担っています。
変圧器の更新に関して、以下のような不安や疑問がある方は、お気軽にお問い合わせください。
こんな不安や疑問ありますか?
- まだ変圧器に大きな問題はないんだけど心配
- 2026年4月以降に慌てずに済むように対応しておきたい
- 変圧器を更新したばかりなのにどうすればいいのかな?
とりあえず見積りだけ出してほしいといったご要望にもご対応可能です。
新基準の変圧器に関することは、WILLPROCEEDにお任せくださいね。
投稿者プロフィール

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株式会社WILLPROCEEDのWEB担当者。
非常用発電機の点検・負荷試験、キュービクルの設置、ご家庭のガス・電気の光熱費削減などをご提案します。
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不明点や疑問点、見積もりなどはお気軽にご連絡くださいね。
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